勉学に励むとともに、映画や文学にも触れようと思った。
先日、日記に書いた姉の結婚式(披露宴)の最後の演目は、
兄の父の演武でした。しかも居合!!
その最後の型が黒澤明の『椿三十郎』で三船敏郎演じる椿三十郎が、
仲代達矢演じる敵を切るシーンでした。
そんなこともあり観てみました。
三船敏郎はかっこいい。映画も面白い。
ストーリーは省略します。観てください。
観ていると、熱意をもった若者に方向性、知恵を与える三船。
まるで、プラトン『国家』の洞窟の比喩に出てくる哲学者。
哲学者が光の中へ導くのを拒否する人もいる。
人は世界を見たくないのである。
しかし、映画の中の若者は変革への意志がある。彼らは光の中へ導かれるのを望んでいる。
ただそれだけなら、啓蒙を促すような映画の類である。
そして、そんな映画もよくある。環境問題を危惧するような映画やらなんやら。
ここで若者だけではなく、導き手である三船も問題となる。
彼は「鞘のない刀」と呼ばれ、自身もそうであるという。
最後の場面において若者たちに向け「大人しく鞘に収まっていろよ」と忠告する。
だから、三船演じる椿は仕えることや、とどまることはできない。
そうでないと、自身が刀となり、周りを切ってしまうからである、と思う。
幽閉されていた偉い人(名前は忘れたが、自称「馬面」である)は、
自身は不正を暴くために色々と証拠を集めていたが、
若者たちはそれを知らずに行動しようとしていた。そして、多くの犠牲を出した。
若者たちは当然、上司である「馬面」に謝る。
それを「馬面」は「君たちが謝ることはない」と返し続けて
「私に人望がなかっただけだ」と返す。これこそ懐の深さだと単純に思ってしまう。
織田裕二が主演で椿三十郎がリメイクされた。
そちらがどうなっているのかも気になる。
それにしても、何かと哲学や政治思想につなげて考えるのは悪い癖かもしれない。
だが、最後のシーンの三船のかっこよさ、これを見ただけでも満足である。
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