2010年8月11日水曜日

前夜

ブリオッシュな君へ

今日は一つの文章を送ることにしよう。
言いたいことはたくさんあるが、まとまらない。
メールみたいに好き勝手書くわけにもいかない。(一応、ブログだから、ね)

今日はボルヘス『アトラス』の中からお気に入りの物を一つ。


 砂漠

 ピラミッドから三、四百メートルほど離れた場所で、
 私は屈みこんで一握りの砂をつかんだ。
 少しばかり遠くに移動して静かにそれをこぼし、小声で呟いた。
 「わたしはサハラ砂漠の姿を変えようとしている」。
 それはごく些細な出来事であったが、この気に利かない言葉も正鵠を射ており、
 これを口にするために自分の全生涯は必要とされたのだ、とわたしは思った。
 あの瞬間の記憶は、わたしのエジプト滞在でもっとも重みのあるものの一つであった。


どんな些細な出来事も、世界に何らかの影響を持っている。
世界は常に動いているのだ。変化しないものなどない。
形であれ、心であれ、それを望むのならば、君は小さな変化に、
小さな言葉に、小さな景色に、小さな感情に目を向ければ良い。

君は小さな所に、よく目が行くね。
よく見つけたものを「素敵」という言葉とともに、伝えてくれるね。
それを少し自分に、自分の感じていることに向けてみれば良い。

世界の出来事は、どんな小さな出来事でも、世界を作り上げているし、
「私」を作り上げている。
それは僕にとっての出来事か、世界中が知るような出来事か、それはちょっとした違い。
「出来事」に寄り添えば、ボルヘス的な意味で世界を変えることは可能だよ。

きっと、素敵な世界に変わるだろうね。

少し、早いけど、君の誕生日へ向けての断片です。

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