2012年5月12日土曜日

考え中……(2)

そもそも、「離散」とは何か、そこから考えなければならない。
一つの目安としてM・セール、N・ファルーキの編纂した『Le Trésor』という科学辞典から、「離散」の項(pp.278-279)を翻訳してみた。
十分に検討しないといけないが、一応あげておこうと思う(図は省略してます)。


 諸々の点の集合は、これらの点の各々が他の諸点から分離されているならば、≪離散 discret≫といわれる。例えば、実数の集合は連続である(図2)のに、整数の集合は離散的である(図1)。
距離空間(すなわちそれに基づいて≪距離 distance≫の概念が明確である空間)において、点Mは、少なくとも他の諸々の点がそれの距離rに対してある厳密に正の実数rがあるとき、分離されている。同等だがより単純な定義は≪球 boule≫の概念を用いる。中心Mと半径rからなる球は、Mに対する距離がr以下の諸々の点の集合である。その距離がrに対して正確に同等であるとき(すなわち中心Mと半径rからなる球面の諸々の点)あるいは同等ではない諸々の点の集合の中に含まれることによって≪閉球 boule fermée≫あるいは≪開球 boule ouverte≫が語られうる。この概念を用いることにより、点Mのみを含んでいる開球があるならば、点Mは分離されていると言われうる(図3)(ここでは、形容詞≪開 ouverte≫が重要である。というのも中心Mと半径0からなる閉球は、すべての場合で、点Mが分離されていようとなかろうと、点Mしか含んでいないからだ)。言い換えれば、点Mしか含んでいない集合が開球であるならば、点Mは分離されているのだ。それゆえ、すべての単集合 singletons (すなわち唯一の元を含んでいるすべての集合)が開球であるならば、集合は離散である。
位相空間(トポロジーの項を参照)は、それに応じて距離の概念は定義されてはいないが、その代わりに開集合の概念が定義されている空間なのだ。このような空間において、距離の概念が整理されていないので、開球の概念もまた整理されていないのだ。そのとき、もし点Mだけを含む集合があるならば、言い換えれば、点Mだけを含む集合が開集合であるならば、点Mは分離されている。それゆえに、すべての単集合が開集合であるならば、集合は離散である、といわれうる。
すべての諸部分を開集合とみなすことで、任意の集合に≪離散的トポロジー topologie discréte≫と呼ばれる位相空間の構造を備えさせるのだ。そのとき、すべての集合は開集合であるので、この集合は位相にとって離散的なのだ。


この内容理解のために、数学の本をいくつか読んでみようと思う。

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