2009年4月10日金曜日

『青春の終わった日』

数回お会いしたことのある清水真砂子さんの自伝である。
清水さんは『ゲド戦記』の翻訳者であり、
児童文学などを教えていらっしゃる素敵な方である。
学生が好きな人で、声や笑顔も素敵である。

だいぶ前に読んでいたのだが、エピローグが気になり、
久しぶりに開いてみた。


ふいに目の前に一本の道が見えた気がした。この道をいくしかない。
その瞬間静かな喜びがからだを満たした。終わった!解放された!自由になった!
私はこの時、はっきりと青春が終わったことを感じた。うれしかった。
たくさんの選択肢があるように見えたとき、私は不自由だった。
あれもしたい。これもしたい。あれをしようか。これをしようか。私は苦しみ、いら立った。
あんなふうにもなりたい。こんなふうにもなりたい。
そのくせ、何をしたらよいか、わからないままだった。


少し長いが僕の好きな個所の一つを引用した。
選択肢があるのは青春特有の悩みなのかもしれない。
だから、いくつになってもやるべき一つのことのない、ずっと≪青春≫の人もいる。
やるべき一つのことに気づいたとき青春が終わり、自由になり、解放される。
しかし、これは就職とは全く無関係である。実際に著者である清水さんがそう感じたのは、
彼女が27歳になったときである。

自分にはやりたいことがある。
自分の青春が本当に終わったのかはわからない。
でも、この4月で僕の青春は確実に終わりに一歩近づいたのだと思う。

清水さんのように明確な日付をもって青春を終えることができたら、
その日は素敵な輝いた一日になることだろう!!

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